【タイの離島へ】フランス人のバカンスに密着!観光とは真逆の「何もしない贅沢」とは?(前編)

フランス人のバカンスについていってみた(前編・バンコク4日間)のアイキャッチ画像

フランスの「バカンス」に興味を持ったのは、旅雑誌『TRANSIT』のフランス特集で取材をしていたときのことだ。

「2週間の連続休暇を取ることが、法律で義務付けられている」
「バカンスに行くタイミングによって、“7月派”と“8月派”がいる」

聞けば聞くほど「なんだそれ!?」の連続で、デスクの前で頭を抱えたのを覚えている。う、羨ましい……。

そもそも「生き方」や「働き方」に関する前提や考え方が、日本と180度違う気がしてならないのだ。フランス人のバカンスについて調べることは、新しい価値観や仕事観につながるかもしれない。

でも制度の表面だけをなぞっても、その空気感は分からない。だったら、本物のバカンスに実際についていってみればいいのでは??

幸いなことに、フランスに住む友人が毎年、夏のバカンスをタイの離島で過ごしている。試しに「今年の夏、バカンスについて行っていい?」と連絡してみたら、二つ返事で「いいよ!」とのこと。

決まれば、話は早い。

フリーランスの特権を駆使して無理やりスケジュールを調整し、10日間の密着取材へと飛び出した。念のため、誤解がないように言っておくが、決して「日本の猛暑から逃げ出して、南の島でのんびりしちゃおう♪」というわけではない。これはあくまでも、一人のライターとしての、純粋で文化的な研究調査なのである。……たぶん。

目次

【DAY1】バンコクに到着!(日本より涼しい)

WEBでの手荷物の預け入れ手続きを忘れ、関西国際空港で7,000円の追加出費を払うという失態を犯しながらも、なんとかバンコク行きの飛行機へ滑り込む。機体が離陸すると、改めて「自分は今、別の国へ向かっているんだな」という実感がじんわりと湧いてくる。あの瞬間の不思議な高揚感は、何度味わっても色褪せないものだ。

飛行機の窓から見下ろすバンコクの街
関西国際空港から5、6時間で到着

バンコクはドンムアン空港の自動ドアから一歩外へ出ると、東南アジア特有のムワッとした熱帯の空気が身体を包み込む。

──が、正直に言おう。日本の夏に比べたら、バンコクのほうがよっぽど涼しい。気温はせいぜい30度、湿度はあるものの、出発前の日本の最高36度に比べれば、快適ですらある。

たしか日本は「温帯気候」に分類されていたはずだ。

解説では「四季がはっきりしており、極端な暑さや寒さがなく一年を通して比較的過ごしやすい気候帯」とのこと。本当に?めっちゃ暑くない??

温暖化の影響で、実はもうとっくに「熱帯」か「亜熱帯」なのに、国がそれを認めると「熱帯なんだから昼寝の時間をつくれ」とか「夏休みを長くしろ!」と国民が働かなくなったり、「1年中Tシャツでいいんでない?」と服が売れなくなったりするから、大人の事情で「温帯」を死守しているのでは……。「日本=温帯気候」説は、国家レベルの陰謀なのかもしれないという妄想が頭をよぎる。疲れてるのかな?

タイの旅の相棒、配車アプリでバンコクの宿へ

そんなことを考えながら、配車アプリを開く。タイの旅を快適にする相棒は、なんと言っても配車アプリ(※現地の主流はGrabやBolt)だ。タクシーよりも割安で快適だし、ドライバーと料金について揉めることもない。

空港のカウンターで現地SIMを手に入れ、レートの悪い空港での両替はとりあえず後回し。スマホの画面と睨み合いながら、ロータリーに滑り込んでくる迎えの車のナンバープレートを目で追った。

バンコクのマップ(宿と空港の位置関係)
空港からは車で30〜40分くらい

バンコクでの最初の4日間は、一足先に現地入りしているリビア(フランスに長年住んでいるイタリア人の友人)の宿の近くを拠点にすることに決めている。場所は、バックパッカーの聖地と言われるカオサンロードから、少し北へ外れた静かなエリア。

バーンパッタイ サオチンチャーの「エビパッタイ」

数日前にタイに到着していた彼女は、ちょうど今日、アユタヤの遺跡観光からバンコクへ戻ってくるらしい。(自転車でアユタヤを回るというプランを聞いたような…)

私はというと、まずは街のATM(だいたいセブン-イレブンの前にある)でなんとか両替を済ませ、目をつけていた食堂(バーン パッタイ)で念願の「海老パッタイ」を胃袋に流し込む。ぷりっぷりのエビとタマリンドソースがたまらんアロイ・マーク!

宿に戻りがてら、セブンでタイ限定のドリンクやお菓子を買い込み、ベッドへダイブ。 疲れた〜〜!!ほぼ、宿とセブンの往復で終わった1日だったが、明日からの密着取材に備えて、泥のように爆睡するのであった。

【DAY2】「買い物の日」は、ローカル船でチャイナタウンへ!

翌朝10時頃、友人のリビアが迎えに来てくれた。彼女と会うのは、5年前のパリが最後だ。ひさしぶりの再会を喜び合いながら、外へと繰り出した。

リビア

ひさしぶり!

とりあえず、リビアについていく」が一日のプランだった私。彼女はこの辺に泊まることが多いようで、「ここの屋台が美味しい」「ここで洗濯をお願いしている」などと近所を案内してくれる。ありがたや。

あと、タイ観光における大切なポイントについても伝授してくれた。

カオサンロード北エリアの風景
リビア

朝のうちから活動するのが大事。朝は空気も綺麗で涼しいから動きやすいし、屋台の食材も新鮮で美味しい。午後からは、日差しが強くなるから、ムリに動き回らず、ゆっくり過ごすのがおすすめだよ♪

なるほど。頼りになるッス、先パイ!たしかに、この熱気だ。私は自他共に認める夜型人間だけれど、この旅は朝型へと生まれ変わる絶好のチャンスかもしれない…。

聞けば、パリで大量の仕事を終わらせた彼女はバンコクについてから、1、2日は疲れで動けなかったらしい。

昨日はアユタヤ(バンコクから近い古都)を友人とチャリでまわり(アクティブだな)、帰りのバスを間違えて、バンコクに着いたのが夜中になったらしい。

アユタヤの風景

リビアいわく、本日は「買い物の日」とのこと。行き先はチャイナタウンだ。

私を含む日本人は、長めの休みが取りにくいため、ガイドブック(今はスマホか)片手に「毎日ギチギチに観光名所を巡る旅」をしがちだけど、欧米系の旅行者の「◯◯の日」とテーマを決めて旅行するスタイルは、なんだか余裕が感じられていいなぁ。次回からは、自分の旅のスタイルにも取り入れてみようっと!

たておか

そもそも「旅」に対する考え方や捉え方も違うような気もする……

運賃16バーツのローカル船から眺めるバンコクの街

カルチャーショックを感じつつ歩いていたら、バンコクの街を横断するチャオプラヤー川の船着き場に到着した。「船の移動」という選択肢は全然考えてなかったので、一気にテンションが上がる。

チャオプラヤー川を渡る船の船内

船着き場には、16バーツのローカルな民間船と、少し綺麗な40バーツの船があったが、我々は迷わず、16バーツを選択(当時は1バーツ約4.3円くらいなので、70円弱)。日本円にすればケチるほどの差ではないのだけれど、その土地に降り立つと、なぜだか現地の金銭感覚に脳がチューニングされてしまうのが不思議でしかたない。「現地の人の生活を体感してみたい」という思いもある気がする。

チャオプラヤー川の船から望む川岸に見えるワット・アルン
多くの船が行き交うチャオプラヤー川

時折、バシャーンと濁った水飛沫が容赦なく顔にかかることを除けば、川の旅は驚くほど快適だった。何より、水上から眺める景色の移り変わりが面白い。王宮の敷地内にそびえる黄金のワット・プラケオ(エメラルド寺院)が見えたかと思えば、今度は対岸に、ワット・アルン(暁の寺)の美しいシルエットが現れる。いくら見ていても飽きることがない。

バンコクのマップ(宿からチャイナタウンまで)
川から見えるタイの寺院

バンコクという都市は、このチャオプラヤー川を中心に作られたのかもしれない、という考えがよぎる。車も道路もない時代、この川は天然の大通りであり、王宮を守る強固な要塞だったに違いない。

濁った水面を見つめながら、この街が重ねてきた歴史に思いを巡らせているうちに、船は活気あふれるチャイナタウンへと滑り込んだ。

ありとあらゆる店舗が軒を連ねるチャイナタウン。現地価格で買い物を♪

バンコクチャイナタウンの光景
賑やかなバンコクのチャイナタウン

「ヤワラート」と呼ばれるバンコクのチャイナタウン。一歩足を踏み入れた瞬間、視界を埋め尽くす巨大な中国語の看板と、凄まじい熱気に思わず圧倒される。道端には、これでもかと海鮮や極彩色のフルーツを並べた露天がズラリ。

そんなカオス(?)の中で、私の目が釘付けになったのは、山積みにされたココナッツの屋台だ。何を隠そう、私は庭に植えたいくらいココナッツに目がない。じっと見つめる私の視線に気づいたのだろう、リビアがすかさず「2人分お願い」と店のおっちゃんに注文してくれた。──や、優しい。

新鮮なココナッツウォーター
新鮮なココナッツウォーター
ココナッツの果肉
白い果肉も美味しい!
スパイシーに味付けされた屋台の海鮮
スパイシーに味付けされた海鮮

ナタで豪快に上部を切り落とされたココナッツを傾け、まずは瑞々しいココナッツウォーターをゴクリ。うまい!飲み干すと、店のおっちゃんが専用の道具で内側の白い果肉を綺麗に削ぎ落としてくれた。ひんやりとした優しい甘みが、熱帯の身体に染み渡っていく。ちなみに、お値段は35バーツ(150円)、その後カオサンや島で見かけたのが60〜90バーツだったので、チャイナタウンは現地価格に近い値段で買えるようだ。

チャイナタウンは、リビアにとって慣れ親しんだ庭のようなものらしい。
「ここの店がアタリだよ」なんてディープな情報を鮮やかにナビゲートしてくれる彼女の後ろ姿を見ながら、新鮮なスパイスに漬け込まれたエビをハシゴし、さらに中華街の深部へと突き進む。

バンコクのチャイナタウンにあるスパイス専門店
棚にズラリと並ぶスパイス

今回、リビアがチャイナタウンにやってきた一番の目的はスパイスの調達だ。

「パリよりも、バンコクで買う方がお得なんだよね」とリビア。特にカルダモンが安価で手に入るらしい。ちなみに、今回買ったスパイスは、自宅で仕込む自家製チャイに使うのだとか。(ちなみに「私もチャイを作りたい!」と彼女を真似て購入したスパイスたちは、今だに台所の奥の棚に眠っている

ありとあらゆる店が節操なく並ぶ、迷宮のようなチャイナタウン

リビアにとっては1年ぶりの訪問だというのに、彼女はお目当てのショップはおろか、いざという時の綺麗なトイレの場所まで完璧に把握していた。人混みをかき分け、一切の迷いなく前だけを見て進んでいくその背中に「姉さん、まじで格好いいッス……!」と心の中で褒め称える私であった。

その後も、由緒ある寺院を巡ったり、ふらりと入ったカフェで日本のアーティストと出会いがあり、3人で意気投合したり、色鮮やかなフラワーマーケットの熱気に圧倒されたりしたが、あまりに濃密なためここでは割愛する。とにかく、1日の情報量と充実度が凄まじかった。

3つの写真組み合わせ(左から、フラワーマーケットのカフェ、チャイナタウンの寺、カオサンロードのバー)

夜は3人で、ローカルな露店で夕食を食べ、夜のカオサンロードを歩く(ビールは近くのコンビニで調達し、そのまま店に持ち込んで飲めるところもタイらしい)。カオスすぎるだろ、ここ!五感を刺激する音と光の洪水に、バンコクの夜の底知れなさを肌で感じた。

ようやく宿に戻り、私はベッドに倒れ込む寸前だった。しかし、リビアは涼しい顔でこう言い放った。「じゃ、これからマッサージ行ってくるわ!」

──なんという活動量、なんというタフネス。鉄人の背中を見送りながら、私は心地よい疲労感とともに、タイの長くて深い1日目を終えたのだった。

<旅のひとことメモ>

「朝活」がタイを制す: 昼からの酷暑や突発的なスコールを避けるため、メインの観光や移動は午前中に済ませるのが鉄則

朝の屋台は狙い目: 調理したばかりの新鮮なローカルフードが集まる朝の屋台は、比較的安心してグルメを楽しめる

お腹が心配なら「氷なし」: ローカルなお店や屋台では、念のため飲み物を「氷なし(ノーアイス)」で注文するのがおすすめ

【DAY3】ランブトリ通りで「セルフケアの日」、夜は川辺でディナーを

正直に告白しよう。 本来なら、旅の3日目もリビアのタフな背中を追い、何が起きたかを克明にレポートすべきだった。しかし、連日の猛暑と睡眠不足と情報量の多さに私のライフはすでにゼロ。身体は限界を迎え、半強制的に「何もしない日」へと突入した。ぐぬぬ……。

美容大国タイで、フランス人が実践する「セルフケア」とは?

バンコクにあるランブトリ通りの風景

なんとかベッドから這い出て仕事のメールを送る、そしてまた倒れ込む。そんな時間を過ごした後、夕食の席で恐る恐るリビアに「今日は何してたの?」と聞いてみた。

「今日はセルフケアの日にした」とリビア。 カオサンロードのすぐ横、落ち着いた雰囲気が漂うランブトリ通りのお気に入りのサロンでネイルをし、タイマッサージをフルコースで受けてきたらしい。

アクティブに活動(アユタヤ)して、買い物(チャイナタウン)して、美容の日でバカンス気分を高めるということですね。ふむふむ。しかもネイルもマッサージもヨーロッパや日本に比べて、お手軽価格の店が多いから、値段も気にせず楽しめそう。

──タイは言わずと知れた「美容大国」だ。 調べてみたところ、1990年代のアジア通貨危機を機に、国が「美容で外貨を稼ぐぞ!」と医療・美容観光に本気で注力してきた歴史がある。

さらに伝統的なハーブ医学や、人口の9割を占める仏教徒の「他人の生き方(カルマ)を否定すると自分の徳が下がる。誰がどう美を追求しても自由」という圧倒的な寛容さが、この国のビューティーインフラを進化させているようだ。確かに昨夜も、綺麗なオネエさまを何人もみたような…。

タイマッサージのイメージ

カオサンのローカル店なら200〜300バーツ(約1,000円前後)、小綺麗な街のサロンでも500バーツ(約2,150円)ほどで、ハイクオリティなジェルネイルやマッサージが受けられてしまう。お会計後に「コープクンカー」と、施術スタッフにサッと50〜100バーツのチップを渡す流れまで含めて、タイの美容文化は完成されているのだ。

「なんか痛そう」という理由で、これまでマッサージ系は避けてきたが、挑戦してみるのも良いかもしれない。

そこらへんの露店から小洒落たレストランまで、バンコクの食体験が面白い!

ちなみに!今夜のディナーはちょっと豪華です。

バンコクにあるおしゃれなレストランのエントランス


今日はリビアがバンコクで過ごす最後の日。明日の夕方、彼女は寝台電車で「とある島」に向かうのだが、私はチケットの取り方が分からず断念して飛行機に(笑)。それぞれのルートで同じ目的地を目指すことになっている。

バンコク最後の夜は、川沿いのちょっとポッシュなレストランへ。Changビールを片手に、豪華な海鮮料理を堪能した。値段は二人で5,000円くらいだったが、どの料理も美味しかった〜!

新鮮なイカとスパイスの料理
新鮮なイカとスパイスの料理
バンコク最後の夜はちょっと豪華に♪
海老の料理とスパイスが効いた麺料理にchangビール
海老の料理とスパイスが効いた麺料理にchangビール

タイを旅していて面白いと感じるのは、街の持つ圧倒的な「グラデーション」だ。 すぐ横をバイクがビュンビュン通り抜けるような道端のローカル屋台(路上に席を置いただけなのに結構美味しくて、隣のセブンで買った飲み物を持ち込める自由さが最高!)のすぐ近くに、驚くほどおしゃれな高級店が佇んでいたりする。

まだ滞在して3日も経っていないが、この混沌と洗練が隣り合うバンコクという街の、底知れない懐の深さを肌で感じている。

【DAY4】タイの仏教建築に圧倒される「観光の日」

本日は、リビアのバンコク最終日(私は明朝発)。「今日は荷物の整理をしてゆったりする」とのことなので、丸一日、完全な自由時間ができました。

バンコクには何度か来ているけれど、実はあんまり観光をしたことがないだよね!(逆に何をしてたんだ…?) 2日目に船から見えたあの景色が綺麗だったので、今日は「観光の日」に決定!

訪れたのは、「寝ているブッダ」があるワット・ポーと、「暁の寺」ことワット・アルンだ。この2つに関しては、ガイドブックや他のサイトに詳しく書いてあると思うので、詳細は割愛したい。(ワット・アルンの近くにある「フライド・ポーク・ライス」という店は、地元民にも人気なようで美味しかった!)

スクロールできます
ワット・ポーの塔頭のモザイク模様
カラフルなモザイク模様
ワット・ポーの仏教建築(屋根部分)
天に伸びる装飾が特徴的な屋根
ワット・ポーの風景
建物の影で休息を挟む
ワット・ポーにある「寝ているブッダ」の像
全長46メートル、高さ15メートルの巨大な黄金寝大仏(涅槃仏)
ワット・ポーの光景
空とのコントラストが綺麗
ワット・ポーの石像
カラフルな花が咲くお庭(?)
ワット・ポーの建築と華やかな草花
暑い!!
ワット・アルンの入口の像
ワット・ポーの対岸にあるワット・アルン
ワット・アルンの風景
タイの伝統的衣装に着替えて、撮影するコスプレイヤー(?)多めのワットアルン
ワット・アルンのヨリ
約80mの仏塔の壁面は、貝殻や陶磁器の破片で彩られている

理由は伝来ルートの違い!? タイと日本の仏教建築が異なる理由

どちらの寺院も本当に良かったのだが、個人的に気になったのは、「タイの仏教寺院はどうしてこんなに派手なのか?」という点だ。カラフルで絢爛豪華なタイの寺院は、日本の侘び寂びと方向性が違う気がする。

言うなれば、フェス好きのパリピと、内なる問いを探求する孤高の哲学者くらい、そもそも目指している方向性や考え方が違うような気がしてならない。

気になって調べてみたらそれは、仏教伝来のルートの違いが大きいらしい。

タイは「南回りルート(インド ➔ スリランカ ➔ ミャンマー ➔ タイ)」。
宗派は厳しい戒律をストイックに守る上座部仏教(お坊さんが厳しい戒律を守る自力本願の教え。一般人はお寺に寄付をして「徳(タムブン)」を積むシステム)で、建築のテーマはズバリ「天界の出張所」。ブッダの住む天界を表すために、屋根のエッジは「上へ、天へ」とツンと尖っているのだとか。

さらに熱帯の強烈な太陽光に負けないよう、外壁には純白の漆喰、屋根には原色タイル、そしてこれでもかと金箔や鏡のモザイクを貼り付ける。光をギラギラと反射させて邪悪なものを跳ね返すというバリア機能を備えているのだ。

一歩足を踏み入れた瞬間に「うわあ、極楽浄土だ!」と誰もが圧倒される非日常のキラキラ感、これこそがタイのお寺なのだとか。

一方で、日本には「北回りルート(インド ➔ シルクロード ➔ 中国 ➔ 朝鮮半島 ➔ 日本)」で、仏教が伝来した。こちらは、シルクロードや中国を経て伝わった大乗仏教(「みんなで一緒に救われよう!」という教え)である。

建築スタイルも、中国の宮殿技術を引き継いだどっしり重厚な瓦屋根が横へと広がる仕様。かつては日本のお寺もカラフルだったが、時代を経て「形あるものはいつか壊れる(諸行無常)」という精神性と結びつき、あえて色を塗らない木目や、経年変化の風合い、苔の緑といった「引き算のモノトーン」を愛するようになったのだとか。

庭の緑を部屋の中に額縁のように取り込んで、じっと座って自分の心と向き合うための構造になっているようだ。確かに「自分と静かに向き合う場所」がキラキラしてたら、修行もやりにくい気がするよね…。

おまけ【DAY5】早起きして、スラーターニー(Surat Thani)空港へ 

5日目となる本日は、朝から移動の日。早朝4時に布団から抜け出し、身支度とパッキングを済ませる。前日からGrabで予約していたドライバーが到着していたので、ドンムアン空港に向かってもらう。

飛行機の時間まではまだかなりの余裕があったが、昨晩宿のおばちゃんに朝は混むから、早めに行ったほうがいいよと忠告されていたため、私はそれを忠実に守り、出発の1時間半前には空港に着くようにしていた。

しかし、そんな心配は杞憂に終わった。以下は、朝の空港の様子を撮影したものだ。

チェックインと手荷物預入所
スタッフすらいない手荷物検査場の受付

空いている……。というより、もはや無人だ。

「もっと寝ていられたのに!!」と嘆きながら、朝食用のパンを買い、誰もいない搭乗ゲートの前で、ぽつんと1時間半以上も飛行機を待つことになったのだった。

「フランス人のバカンスについて行った」(バンコク編)まとめ

まだ、前半の4日間だが、ここまででわかったフランス人のバカンスの過ごし方にについてまとめてみました。後半の「島編」やリビアへのインタビュー記事も今後アップ予定なので、そちらもぜひお楽しみください♪

【滞在スタイル】 2〜3週間の長期滞在が基本。都市観光は数日で切り上げ、南部リゾートのヴィラなどで「暮らすように」深く留まるスタイル。

【一日の過ごし方】 バンコク滞在中は、南国の気候に合わせて、朝から活動。予定を詰め込むことはなく「買い物の日」「セルフケア」の日などと、その日のテーマを決めて活動する。

【食への情熱】 美食の国らしく地元のナイトマーケットやローカル食堂へ進んで飛び込み、ハーブの効いた複雑なタイ料理のガストロノミーを楽しむ。バンコク最後の日などは、ちょっと豪華なレストランへ。

【デジタルデトックス】 基本的にあまりスマホを開かない。日々の喧騒から完全にエスケープする時間を何より大切にする。

【持ち物】 現地洗濯を見据え荷物は最小限に。涼しい上質なリネン服、日焼け止め、夜のディナー用ドレスアップ服1着と、数冊の紙の「本」が鉄板のよう。(本は旅の途中に他の旅行者と交換することも)

【買い物】ショッピングよりも体験を大切にする。お土産を配ったりも基本なし。

日常に、新しい”選択肢”を。
- Travel Beyond Concepts -

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異なる文化や価値観に触れて「あ、こんな生き方や考え方もあるんだ」と気づくとき、
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この記事を書いた人

東京から京都へ移住してきた編集者。
『Wanderlust』編集長(兼ライター)をやらせてもらってます。
時には執筆や撮影もします。日本や海外を巡り、面白そうなこと・関心があることには、だいたい首を突っ込もうかと♪ 不定期で『ひみつの京都案内』というイベントを開催したりもします。

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